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光を通す物は、光の波長に応じた屈折率があり、その屈折率の違いで 現れるのが虹です。大気にも僅かな屈折率があり、大気が厚くなる低空 では、それが顕著に表れます。 その影響で低空の星や惑星を高倍率の望遠鏡で眺めると、虹の様に色が 滲んで見えます。どんなに拡大しても点像の恒星では、ほとんど気に なりませんが、面として見える惑星では、虹の様な色滲みが激しく なります。その様な現象を色の大気分散と呼んでいます。 高度が低い時の惑星は、特に色の大気分散が顕著です。 その様な色滲みを防ぐにはプリズムを使って色の大気分散と逆向きの 色分散をかければ良いのです。その様な逆向きの色分散用に使用して いるのがWedgePrism(ウェッジプリズム)です。 角度が1度から数度と僅かな傾きを持ったプリズムと思って頂ければ 良いでしょう。 右の画像が、オプトマックス社製の1度、2度、4度のWedgePrismです。 2枚組み合わせれば、1度〜6度までの調整が可能です。 同社では、安価なBK7ウェッジと高級な溶融石英ウェッジの2種類が ありますが、安価なBK7ウェッジを購入しました。 なお、同社では、透過率低下を防ぐコーティングも可能ですが、 価格は10倍程度になるそうです。 2番目の画像は、WedgePrismを31.7mmのアメリカンサイズの フィルタ枠に入れた物と、それをToUcamにセットした状態です。 3番目の画像は、WedgePrism(ウェッジプリズム)を使わない場合と 使った場合の木星の比較画像です。 WedgePrism(ウェッジプリズム)未使用の左側の木星画像では、 木星の左下に青色滲みが、その反対の右上に赤色滲みが出ています。 |