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北極星が見えない場所で赤道儀を使う場合の簡易的な極軸合せの方法を以下に記載します。
1.赤道儀の仰角のラフな設定
1)赤道儀に記載されている角度目盛りを利用して設置場所の緯度に赤道儀の仰角を合わせるか
北極星が見える場所で、赤道儀の水準器で水平出しを行ってから、北極星を使って赤道儀の仰角を合わせます。
極軸望遠鏡が無い赤道儀なら、望遠鏡を赤道儀の極軸に並行にして、望遠鏡の視野に北極星が入るように仰角を
調整すればよいでしょう。
2)赤道儀を設置する場所で、再度、赤道儀の水準器で水平出しを行って設置します。
2.東西の調整
1)方位磁石を使うか、南の方向の中空にある明るい恒星を利用して、極軸の向きを北に向けます。
恒星を利用する方法は、対象の恒星が当日南中する時刻を調べておき、望遠鏡を赤道儀の極軸と反対方向に
向けて固定し、 赤道儀の東西調整で、対象の恒星を望遠鏡の視野に入れれば、極軸は北に向きます。
2)南の中空の明るい恒星(上で使った恒星で良いでしょう)を恒星時追尾で追尾しながら、視野の中での恒星の
南北の動きを調べます。
・その恒星が南(視野の中を上に)動いていく時は、極軸が東にずれているので、極軸の向きを西に動かします。
・その恒星が北(視野の中を下に)動いていく時は、極軸が西にずれているので、極軸の向きを東に動かします。
南北(上下)の動きがなくなるまで上記を繰り返します。
3.上下の調整
1)南東か南西方向の明るい恒星を望遠鏡の視野に入れて、恒星時追尾で追尾しながら、視野の中での恒星の東西の
動きを調べます。
・その恒星が東へ動いていく時は、極軸の角度が低いので、極軸を角度を高くします。
・その恒星が西へ動くていく時は、極軸の角度が高いので、極軸を角度を低くします。
視野の中の恒星の動きを調べる時は、高倍率の十字線入りのアイピース(低倍率のアイピースならバローレンズを併用)を
使うと良いでしょう。
また、極軸の向きや高さを変えると、対象の恒星が視野から飛び出すので、ファインダーの方向合せをしっかりとして置くか、
低倍率のアイピースを併用すると便利です。