Written by S.Yoneyama

ここは、星や天文に興味を覚え始めた人へ、２００４年に見られる面白い事象を紹介するページです。
各情報やデータは、株式会社誠文堂新光社発行の“天文年鑑”を参考にした物です。興味を持たれ、より詳しい情報を知りたくなったら、上記の本を購入して見て下さい。天文年鑑”には、ほとんど全ての天文現象や各種情報が詳しく記載されているので、重宝すると思います。

目次

・惑星達や月のランデブー
・金星の太陽面通過
・恒星食・惑星食
・日食
・月食
・水星観測の好機
・流星群
・明るい彗星

• 惑星達や月のランデブー
  

  ３月下旬の夕方の西の空に 水星、金星、火星と月が 集まります。 少し離れた天頂付近には 土星も見れ、さらに東の空 には、木星も昇っており、 ５大惑星と月が勢揃いです。 ４月下旬には、金星、火星、 土星が並び、２４日前後には 月も並ぶので見物です。 11月5日の金星と木星の接近 は見物です。-4等星の金星と -1.7等星の木星が並ぶ光景は 見事でしょう。 その５日後の11月10日には、 月も加わり、さらに賑やか だと思います。

  月日 時刻 対　象 離隔 見ごろ時刻 方角  1/07 09:26 土星と月 4゜34' 04時頃 西  1/12 19:51 木星と月 3゜26' 23時頃 東  1/20 12:15 水星と月 4゜45' 06時〜06時半 南東  1/25 01:07 金星と月 2゜37' 18時頃 西南西  1/28 12:01 火星と月 4゜46' 18時頃 南西  2/03 13:06 土星と月 4゜29' 19時頃 南東  2/08 22:37 木星と月 3゜12' 22時半頃 南東  2/24 04:28 金星と月 3゜01' 18時頃 西南西  2/26 10:31 火星と月 0゜54' 19時頃 西南西  3/01 19:26 土星と月 4゜35' 19時半頃 南南西  3/07 00:34 木星と月 3゜14' 3/6 24時頃 南南西  3/22 13:49 水星と月 3゜36' 18時半頃 西  3/25 06:12 金星と月 2゜09' 19時頃 西  3/26 08:57 火星と月 0゜49' 19時頃 西  3/29 04:26 土星と月 4゜44' 19時頃 西南西  4/03 04:19 木星と月 3゜28' 02時頃 西  4/23 19:14 金星と月 1゜28' 19時半頃 西北西  4/24 05:49 火星と月 2゜13' 19時半頃 西北西  4/25 15:17 土星と月 4゜50' 20時頃 西  4/30 11:00 木星と月 3゜40' 20時頃 南  5/17 08:06 水星と月 2゜34' 04時頃 東  5/21 21:15 金星と月 0゜20' 19時半頃 西北西  5/23 00:44 火星と月 3゜14' 5/22 20時頃 西北西  5/23 03:08 土星と月 4゜53' 5/22 20時頃 西北西  5/25 08時 火星と土星 1゜35' 20時頃 西北西  5/27 20:32 木星と月 3゜40' 20時半頃 西南西  6/24 08:25 木星と月 3゜27' 20時頃 西南西  7/11 08時 水星と火星 0゜10' 19時半頃 西北西  7/14 09:10 金星と月 7゜42' 04時頃 東  7/20 00:18 水星と月 4゜56' 7/19 19時半頃 西北西  7/21 22:20 木星と月 3゜04' 20時頃 西  8/12 07:58 金星と月 7゜54' 04時半頃 東  8/13 17:41 土星と月 5゜08' 8/14 04時頃 東北東  8/18 14:18 木星と月 2゜36' 19時頃 西  9/01 10時 金星と土星 5゜20' 04時頃 東  9/10 06:54 土星と月 4゜40' 04時頃 東  9/11 01:00 金星と月 6゜40' 04時半頃 東  9/13 09:55 水星と月 3゜46' 04時半〜05時頃 東 10/07 19:08 土星と月 5゜28' 10/08 02時頃 東 10/11 03:52 金星と月 3゜53' 04時半頃 東 11/04 04:59 土星と月 5゜28' 04時半頃 南 11/05 06時 金星と木星 0゜36' 05時頃 東南東 11/10 00:39 木星と月 1゜01' 05時頃 東南東 11/10 10:40 金星と月 0゜11' 05時頃 東南東 11/14 12:19 水星と月 0゜55' 17時頃 南西 12/01 11:24 土星と月 5゜18' 05時頃 西南西 12/05 16時 金星と火星 1゜15' 05時半頃 東南東 12/07 19:39 木星と月 0゜21' 05時頃 南東 12/10 09:22 火星と月 2゜06' 05時半頃 東南東 12/10 14:08 金星と月 3゜30' 05時半頃 東南東 12/28 14:42 土星と月 5゜08' 05時半頃 西 12/29 14時 水星と金星 1゜15' 06時頃 南東

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• 金星の太陽面通過
  6月8日(火)に122年ぶりに起きる金星の日面通過は、2004年最大の天文イベントです。太陽面の前を太陽の視直径の1/30程度の金星が横切る現象で、丸い黒い点が太陽面を横切って行きます。黒点とは色の違いが分かると思います。
  肉眼でも見れる可能性がありますが、直接太陽を見ないで下さい。太陽観察用の専用サングラスか、ロウソクで黒く燻したガラス板を通して眺めて下さい。白黒フィルムの黒く感光した部分を通してみるのも良いですが、カラーフイルムでは駄目です。
  双眼鏡や小さな望遠鏡で見る場合は、直接に覗かずに、白い紙等に投影して見て下さい。
  
  開始時刻は、場所によって多少違いますが、14時11分〜12分です。夕方には太陽の中心に近づき、そのまま日没になります。
  
  
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• 恒星食・惑星食
  今年は惑星食や１等星の食は残念ながら見れません。
  ２〜３等星の明るい恒星の食を以下に示しますが、数が極端に少ないです。
  

  月日	星	月齢	潜入 方向	札　幌	東　京	福　岡
  1/18(日)	さそり座δ星 （2.3等星）	25.5	暗縁 出現	− 6h18.8m	− 6h115.9m	− 5h58.1m
  3/05(木)	しし座η星 （3.5等星）	14.1	暗縁 潜入	− −	21h33.8m −	21h09.6m −

  各地の時刻は、上段が潜入で下段が出現です。
  
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• 日食
  4月19日(月)〜20日(火)にアフリカ南部から南極大陸にかけての南大西洋で部分日食見られますが、日本では見れません。
  また10月14日(木)に東アジアからアラスカにかけての北太平洋で部分日食が見られ、九州南部以北の日本でも見ることが出来ます。
  北方の方が食分は大きい日食です。
  
  10月14日の分日食の主な都市での時刻
  

  地名	開始時刻	最大時刻	終了時刻	最大食分
  稚内	10h23.0m	11h29.1m	12:35.2m	41.8％
  札幌	10h27.2m	11h31.8m	12h36.4m	38.0％
  仙台	10h37.9m	11h38.3m	12h38.5m	30.0％
  東京	10h45.3m	11h40.9m	12h36.3m	23.9％
  新潟	10h38.9m	11h36.1m	12h33.4m	26.4％
  名古屋	10h48.1m	11h37.3m	12h26.6m	18.1％
  大阪	10h51.0m	11h35.9m	12h20.9m	14.7％
  広島	10h56.8m	11h31.6m	12h06.5m	8.6％
  福岡	11h07.7m	11h29.6m	11h51.5m	3.3％
  長崎	11h19.9m	11h30.1	11:40.2m	0.7％

  
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• 月食
  5月5日(水)と10月28日(木)に皆既月食が起きます。5月5日の皆既日食は前半部分が日本でも見ることができます。
  東日本では皆既以前に月没になるので、部分月食しか見れません。10月28日の皆既月食は日本では見れません。
  
  5月5日の皆既月食の時刻
  

  	部分月食開始	皆既月食開始	皆既月食終了	部分月食終了
  時刻	3h48.2m	4h52.0m	6h08.4m	7h12.2m

  
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• 水星観察の好機
  太陽に近くて、なかなか見る機会の少ない水星ですが、比較的見易くなる時期を以下に示します。年に一度は対面したいですね。
  今年は１月中旬の明け方、３月下旬の夕方、９月上旬の明け方、１２月下旬の明け方が、条件が良いです。
  それぞれの方角が地平線まで開けた場所で探して下さい。なお、月や明るい惑星と接近する場合は、それを案内役とすれば探し易くなると思います。
  特に１２月下旬には金星と仲良く並ぶので、探し易く見物だと思います。
  
  ・夕方の空
  

  観察最適時期	方角	日没時高度	見頃の時刻	案内役
  ３月２９日前後	西	１７度	18時半頃	月（3/22）
  ７月２７日前後	西	１４度	19時〜19時半頃	案内図
  １１月２１日前後	南西	１１度	17時頃	案内図

  
  ・明方の空
  

  観察最適時期	方角	日出時高度	見頃の時刻	案内役
  １月１７日前後	南東	１５度	6時〜6時半頃	月（1/20）
  ５月１５日前後	東	１１度	4時頃	月（5/17）
  ９月　９日前後	東	１６度	5時頃	月（9/13）
  １２月３０日前後	南東	１５度	6時〜6時半頃	金星

  
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• 流星群
  
  以下に、比較的沢山の流星が見られる流星群のデータを示します。
  今年はペルセウス座群、しし座群、ふたご座群は月明かりの邪魔が少なく条件は良いです。
  写真撮影は、固定撮影でも充分で、ISO800-1600程度の 高感度フイルムを使用し、輻射点の星座を中心に５分程度の
  露出で連続して何枚も撮影して見ましょう。なるべく広い範囲を撮影する為に広角か標準レンズが 適当でしょう。
  

  群名	活動時期	予想極大時期	極大時 の方角	極大時 の月齢	観察条件 月の影響	個数	特徴
  しぶんぎ （りゅう座ι）	1/ 1− 1/ 7	1/4 15時頃	北	１２	悪	３０	極大時が日中なのと月明かりが あるので条件は良くない
  ペルセウス座	7/20− 8/20	8/12の明け方	北東	２６	良	５０	明るい流星が多い
  しし座	11/15−11/25	11/17 17時頃	東	５	最良	３０	火球が見られる
  ふたご座	12/ 5−12/20	12/14 09時頃	天頂	２	最良	８０	一晩中見られる

  表中の個数は、極大時の１時間当たりの流星の予想数です。暗い空で全天で見れると予想される数なので、
  実際にはそれより少ない数しか見れません。
  
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• 明るい彗星
  
  今年は、２つの大彗星が近日点を通過し、明るくなると予想されています。２つとも肉眼でみれると予想されて
  いる上に、５月下旬には２つの彗星が同時に見れそうなので楽しみです。
  • ニート彗星（C/2001 Q4）−近日点通過：5月15日
  • リニア彗星（C/2002 T7）−近日点通過：4月23日
  
  5月28日の予想図
  
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from 2004.12.01