Written by S.Yoneyama

ここは、星や天文に興味を覚え始めた人へ、２００６年に見られる面白い事象を紹介するページです。
各情報やデータは、株式会社誠文堂新光社発行の“天文年鑑”を参考にした物です。興味を持たれ、より詳しい情報を知りたくなったら、
上記の本を購入して見て下さい。天文年鑑”には、ほとんど全ての天文現象や各種情報が詳しく記載されているので、重宝すると思います。

目次

・惑星同士や月と惑星のランデブー
・「シュヴァスマン・ヴァッハマン第3彗星
・水星の日面通過
・恒星食・惑星食
・日食
・月食
・水星観測の好機
・流星群
・木星の大赤斑正中日時

• 惑星同士や月と惑星のランデブー
  

  今年の惑星同士や月と惑星の接近での見物は、 以下の4件でしょう。 4月25日の月と金星の接近 6月18日の火星と土星の接近 8月21日の水星と土星の接近 8月27日の金星と土星の接近 それから、6月28日の夕方、西の空で火星、土星、 水星と月が並ぶので面白いでしょう。この時は水星を 探すチャンスです。 さらに、8月22日の明け方、東の空に金星、土星、 水星と月が並びます。 惑星同士や惑星と月の接近ではありませんが、今年は、 土星が、かに座のプレセペ星団M44の近くを通過したり、 月がスバルM45の近くを通過する現象が見れます。 土星とプレセペ星団の接近は、1月29日前後 と 6月1日前後 に起きます。双眼鏡や低倍率の望遠鏡で 眺めると面白いでしょう。 6月18日に起きる火星と土星の接近はプレセペ星団の 近くで見れます。これも楽しみです。 月とスバルの接近は、2月6日の夜半前、4月29日の夕方、 8月16日の深夜、11月7日の02時前後、12月31日の 20時前後に起きます。スバルの中を月が通過する 11月7日 と 12月31日 は、見物でしょう。

  月　日 時　刻 対　象 離　角 月齢 見頃の時刻 方　角 1/09 04:50 火星と月 1゜21' 8.4 1/8の22時頃 西 1/15 22:11 土星と月 3゜47' 15.4 22時頃 東 1/24 05:20 木星と月 4゜42' 23.7 6時頃 南 2/06 06:56 火星と月 2゜10' 7.8 18時半頃 南 2/12 00:11 土星と月 3゜51' 13.0 2/11の23時頃 南 2/20 16:55 木星と月 5゜08' 21.2 4時頃 南 2/25 06:26 金星と月 10゜14' 26.3 6時頃 南東 3/06 15:50 火星と月 3゜00' 6.4 18時半頃 西南西 3/11 02:45 土星と月 3゜58' 10.6 01時頃 西 3/19 22:42 木星と月 5゜17' 19.6 3/20の01時頃 南南東 3/26 08:12 金星と月 5゜54' 25.8 05時頃 南東 4/04 04:36 火星と月 3゜31' 5.0 4/3の20時半頃 西 4/07 08:14 土星と月 4゜00' 9.0 19時頃 南 4/16 00:19 木星と月 5゜10' 17.2 00時半頃 南 4/24 22:36 金星と月 0゜24' 26.4 4/25の05時頃 東南東 5/02 19:42 火星と月 3゜35' 4.6 19時半頃 西 5/04 17:31 土星と月 3゜50' 6.6 19時半頃 西南西 5/13 01:00 木星と月 4゜55' 14.8 01時半頃 南南西 5/24 17:28 金星と月 4゜16' 26.0 04時頃 東 5/31 12:23 火星と月 3゜13' 4.2 20時頃 西 6/01 05:50 土星と月 3゜22' 5.2 20時頃 西 6/09 03:52 木星と月 4゜45' 12.3 6/8の22時頃 南南西 6/18 08時頃 火星と土星 0゜35' 20時頃 西 6/23 12:20 金星と月 6゜13' 26.6 04時頃 東 6/28 19:40 土星と月 3゜12' 2.8 19時半頃 西 6/29 06:30 火星と月 2゜22' 2.8 6/28の19時半頃 西 7/06 10:36 木星と月 4゜46' 10.8 20時頃 南南西 7/23 08:50 金星と月 5゜35' 27.1 4時頃 東北東 8/02 21:02 木星と月 4゜56' 8.3 20時頃 南西 8/21 08時頃 水星と土星 0゜31' 05時頃 東北東 8/27 08時頃 金星と土星 0゜04' 05時頃 東 8/30 10:10 木星と月 5゜09' 6.6 18時半頃 南西 9/27 01:04 木星と月 5゜18' 3.9 9/26の18時頃 南西 10/16 23:27 土星と月 2゜01' 24.3 10/17の5時頃 東南東 11/13 10:24 土星と月 1゜36' 21.6 05時頃 南南東 12/10 20:00 土星と月 1゜10' 19.7 24時頃 東

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• 「シュヴァスマン・ヴァッハマン第3彗星(73P/Schwassmann-Wachmann 3」
  
  今年の5月に地球に大接近する彗星です。1995年の回帰時に、A〜Dの4個の核に分裂した彗星で、その中でC核が最も明るく、
  今回の接近時には肉眼彗星になることが期待されています。詳しくは国立天文台のアストロ・トピックスを参照して下さい。
  詳しい情報は、後日追加記載します。
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• 水星の日面通過
  
  減光装置付きの天体望遠鏡が無いと見れませんが、１１月９日（木）に水星が太陽の前面を通過する日面通過が起きます。
  日本では、日面通過の開始は、日の出前なので見れません。最も深く入り込む時刻は、０６時４１.７分で日の出の頃です。
  終了時刻は、０９時１０分頃です。水星の外側が太陽の縁に接する第３接触が、9ｈ08.7m頃、水星が完全に太陽面から離れる
  第４接触が、09h10.5m頃です。
  
  肉眼では見れませんが、もし減光装置の無い双眼鏡や望遠鏡で見る場合は、絶対に直接に覗かずに、白い紙等に投影して見て下さい。
  また、接眼レンズに付ける太陽観察用のサングラスは、太陽熱で割れる可能性があるので、使わないで下さい。
  さらにカメラ用のＮＤフィルターは、赤外線を透過するので、目視で使うと目を火傷するので、これも絶対に使わないで下さい。
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• 恒星食・惑星食
  
  今年も日本で見ることが出来る惑星食はありません。5月31日には小惑星ベスタ（8等）の食がありますが、ベスタが暗いので
  観測には適さないと思われます。
  1等星では、1月22日と6月7日におとめ座のスピカの食がありますが、共に昼間の現象なので、やはり観測には適さないでしょう。
  
  なお今年は、プレアデス（スバル、M45）の食が2月6日、4月29日、6月23日、8月16日、11月7日と12月31日の計6回起きます。
  しかし、2月6日〜8月16日は昼間や低空で起きるので観測には不向きで、夜間に見られるのは11月7日と12月31日の2回です。
  月齢の関係で、12月31日が最も条件が良いようです。
  

  月日	星	月齢	潜入 方向	札　幌	東　京	福　岡
  1/20(金)	おとめ座β星 （3.6等）	19.5	暗縁出現	01h16.0m	01h31.6m	01h23.3m
  1/22(日)	おとめ座α星 スピカ （1.0等）	21.8	明縁潜入	−−−	−−−	07h25.5m
  2/06(月)	おうし座η星 （2.9等）	7.7	暗縁潜入	−−−	15h47.1m	−−−
  4/11(火)	おとめ座β星 （3.6等）	13.0	暗縁潜入	−−−	−−−	19h24.1m
  4/17(月)	さそり座π星 （2.9等）	18.5	暗縁出現	−−−	−−−	06h13.6m
  4/29(土)	おうし座η星 （2.9等）	1.6	暗縁潜入	−−−	−−−	20h12.1m
  6/07(水)	おとめ座α星 スピカ （1.0等）	11.1	暗縁潜入 明縁出現	16h11.5m 16h16.8m	15h44.6m 16h41.4m	15h38.0m 16h40.6m
  6/23(金)	おうし座η星 （2.9等）	27.0	暗縁出現	13h43.5m	13h43.7m	13h26.7m
  8/16(水)	おうし座η星 （2.9等）	22.4	暗縁出現	22h42.3m	−−−	−−−
  8/16(水)	おうし座27星 （3.6等）	22.4	暗縁出現	23h23.8m	23h14.1m	−−−
  11/07(火)	おうし座20星 （3.9等）	15.5	暗縁出現	02h41.0m	02h34.4m	02h13.8m
  12/31(日)	おうし座17星 （3.7等）	10.8	暗縁潜入	18h30.3m	18h28.0m	18h05.9m
  12/31(日)	おうし座20星 （3.9等）	10.8	暗縁潜入	19h04.2m	18h53.1m	28h36.2m

  各地の時刻で、2段で記載しているものは、上段が潜入で下段が出現です。
  
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• 日食
  3月29日(水)にアフリカから中央アジアにかけて皆既日食が見られますが、日本では見れません。
• この日食はリビア、エジプト、トルコで条件が良いので、各種ツアーが計画されています。
  また9月22日(金)に南大西洋で金環日食が見られますが、これも日本では見ることが出来ません。
  
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• 月食
  3月15日(水)に西日本で半影月食が見られますが、条件が悪く観測は困難でしょう。
  また、9月8日(金)に部分月食が起き、日本各地で見ることができます。
  
  9月8日(金)の部分月食の時刻
  

  	部分月食開始	最大食時刻	部分月食終了	最大食分
  時刻	03h05.0m	03h51.3m	04h37.6m	18.9％

  
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• 水星観察の好機
  太陽に近くて、なかなか見る機会の少ない水星ですが、比較的見易くなる時期を以下に示します。年に一度は対面したいですね。
  今年は２月下旬と６月中旬の夕方、７月下旬と11月中旬の明け方が、条件が良いです。
  それぞれの方角が地平線まで開けた場所で探して下さい。なお、月や明るい惑星と接近する場合は、それを案内役とすれば探し易くなると思います。
  特に８月初旬の明け方には金星と仲良く並ぶので、探し易く見物だと思います。
  
  ・夕方の空
  

  観察最適時期	方角	日没時高度	見頃の時刻	案内役
  ２月２４日前後	西	１７度	18時頃	月（3/1）
  ６月２１日前後	西北西	１９度	19時〜19時半頃	月（6/27）
  １０月１７日前後	西南西	１０度	17時〜17時半頃	木星

  
  ・明方の空
  

  観察最適時期	方角	日出時高度	見頃の時刻	案内役
  ４月０９日前後	東南東	１１度	5時頃	金星
  ８月０７日前後	東北東	１６度	4時半頃	金星
  １１月２５日前後	東南東	１８度	6時頃	月（11/19）

  
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• 流星群
  
  以下に、比較的沢山の流星が見られる流星群のデータを示します。
  今年はペルセウス座群が、月の影響が少なく条件は良いですが、しし座群とふたご座群は月明かりが邪魔で条件が悪い様です。
  写真撮影は、固定撮影でも充分で、ISO800-1600程度の 高感度フイルムを使用し、輻射点の星座を中心に５分程度の露出で連続して
• 何枚も撮影して見ましょう。なるべく広い範囲を撮影する為に広角か標準レンズが 適当でしょう。
  

  群名	活動時期	予想極大時期	極大時 の方角	極大時 の月齢	観察条件 月の影響	予想 ＨＲ	特徴
  しぶんぎ （りゅう座ι）	1/ 1− 1/ 7	1/4 03時頃	北	３	最良	５０	ピークが短時間、月明かりがなく条件は良い。
  ペルセウス座	7/20− 8/20	8/13 02時頃	北東	１９	最悪	３０	明るい流星が多いが、満月直後の月明かりが 邪魔で条件は悪い。
  しし座	11/ 5−11/25	11/18 05時頃	東	２７	最良	２０	新月直前なので月明かりの心配は無い。 火球が見られる。 ヨーロッパで大出現が予想されている。
  ふたご座	12/ 5−12/20	12/14 21時頃	全天	２３	良	５０	一晩中見られる。月の影響が少ない14日の 夜半前がチャンスか。

  表中の個数は、極大時の１時間当たりの流星の予想数です。暗い空で全天で見れると予想される数なので、実際にはそれより少ない数しか
  見れません。
  
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• 木星の大赤斑の正中日時
  
  木星で最も人気者は、なんと言っても大赤斑でしょう。以下にシーズン終了間際ですが、
  今シーズンの大赤斑が正中（木星面の正面に来る）日時を示します。
  
  

  2006年7月	2006年8月	2006年9月
  10日 21時30分	01日 19時40分	06日 19時24分
  13日 18時59分	03日 21時19分	11日 18時32分
  15日 20時38分	06日 18時49分	23日 18時27分
  20日 19時46分	08日 20時27分	−
  22日 21時24分	13日 19時35分	−
  25日 18時54分	15日 21時13分	−
  27日 20時32分	18日 18時43分	−
  −	20日 20時22分	−
  −	25日 19時30分	−
  −	30日 18時38分	−

  
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from 2006.01.02