Written by S.Yoneyama
- ここは、星や天文に興味を覚え始めた人へ、これから見られる面白い事象を紹
介するページです。
目次
・惑星と月のランデブー
・皆既月食
・惑星大集合
・ガリレオ衛星の相互食
・水星観察の好機
・土星食
・ しし座流星群
- 惑星と月のランデブー
今年の夏から秋にかけて惑星と月が何回か接近します。惑星と月の接近は地味
なイベントですが、明るい惑星なら月の明るさに見劣りしないので、眺めて面白
いと思います。秋の月見のついでに楽しんで下さい。望遠レンズを持っていれば
写真撮影も可能です。写真撮影時の露出時間は、
次ページの 7.月と惑星の露出時間表
を参考にして下さい。
特に土星は、ほとんどが月による食となりますが、日本で見られるのは10/16だけです。
10/16の土星食の開始時刻はで3:41、出現が4:39(共に東京)です。
土星いがいでは、8/6の金星との接近ですね。水星も近くにいるので面白そう
です。
月日 |
時刻 |
月齢 |
惑星 |
離角 |
|
月日 |
時刻 |
月齢 |
惑星 |
離角 |
7/22 |
01:41 |
17 |
木星 |
3゜40' |
|
10/05 |
22:25 |
4 |
金星 |
7゜12' |
7/26 |
04:14 |
21 |
土星 |
0゜01' |
|
10/06 |
15:26 |
5 |
火星 |
6゜16' |
8/06
|
18:15 |
3 |
金星
|
1゜35' |
|
10/11 |
20:12 |
10 |
木星 |
4゜14' |
8/10 |
00:21 |
7 |
火星 |
3゜51' |
|
10/16
|
03:41 |
15 |
土星
|
0゜24' |
8/18 |
06:32 |
15 |
木星 |
4゜01' |
|
11/04 |
14:17 |
4 |
火星 |
6゜17' |
8/22 |
11:18 |
19 |
土星 |
0゜00' |
|
11/04 |
19:41 |
4 |
金星 |
8゜33' |
9/05 |
21:16 |
3.5 |
金星 |
3゜17' |
|
11/12 |
09:52 |
12 |
土星 |
0゜27' |
9/07 |
18:27 |
5 |
火星 |
5゜42' |
|
12/03 |
13:36 |
3 |
火星 |
5゜29' |
9/14 |
01:45 |
13 |
木星 |
4゜15' |
|
12/05 |
16:49 |
5 |
木星 |
3゜20' |
9/18 |
18:59 |
16 |
土星 |
0゜11' |
|
12/09 |
02:10 |
9 |
土星 |
0゜13' |
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- 皆既月食
9月17日の明朝に皆既月食があります。中秋の名月の皆既月食ですので、16日
の夜のお月見の後徹夜で頑張って観るのも良し、お月見を早めに終え一眠りして
から観察しても良いでしょう。但し平日なので、仕事や学校のある人は 後者の
方をお勧めします。大体の方角も示して有りますが、南西から西の方角で割と低
い位置ですので、その方角が開けた場所で観察して下さい。
また、皆既食終了頃からは空も明るく成り始め、月の高度も低く成るので、後
半の観察条件は余り良くありません。
東京での月食の時刻
・01時10分頃 :半影食(太陽の光の一部が遮られ、やや暗くなる食) 開始
・02時08分06秒:本影食(太陽の光の全部が遮られ、かなり暗くなる食)開始
・03時15分24秒:皆既食開始(日食と異なり、月食の場合は地球大気の散乱光
の
影響で、皆既食でも完全には暗くならず赤銅色にぼんやり
輝く
月が見えます。
・03時46分36秒:皆既食の最大
・03時59分 :天文薄明(太陽光の散乱光で空が明るく成る事)開始
・04時17分54秒:皆既食終了
・05時25分12秒:本影食終了、日の出
・05時31分 :月没(半影食の終了は、日本では見られません)
月食時の月の方位と高度
・本影食開始時:方位は西から南方向へ約38度、高度は約35度
・皆既食の最大:方位は西から南方向へ約19度、高度は約19度
・本影食終了時:方位は西から南方向へ約04度、高度はほとんど0
写真撮影
月食は、固定撮影でも簡単に写せる対象ですから、試しに写して見るのも面
白いでしょう。
詳細は、
次ページの“8.月食の撮影方法と露出表”
を参照願います。
なお、9/17の皆既月食撮影露出計画例(ISO100のフイルム、大気減光補正済み
)を以下に示します。
時 刻 |
食 分 |
F |
露出 |
|
F |
露出 |
|
F |
ND400使用時 |
〜02:10 |
〜本影食開始 |
8 |
1/250 |
|
|
|
|
8 |
1秒〜2秒 |
〜02:20 |
〜食分20% |
5.6 |
1/250 |
|
|
|
|
5.6 |
1秒〜2秒 |
〜02:40 |
〜食分50% |
4 |
1/250 |
|
|
|
|
4 |
c〜2秒 |
〜02:50 |
〜食分60% |
4 |
1/125 |
|
|
|
|
4 |
2秒〜4秒 |
〜03:00 |
〜食分80% |
4 |
1/30 |
|
22 |
1秒 |
|
|
|
〜03:10 |
〜食分90% |
4 |
1/8 |
|
11 |
1秒 |
|
|
|
〜03:15 |
〜皆既食開始 |
4 |
2秒 |
|
|
|
|
|
|
〜04:50 |
〜皆既食中 |
4 |
10秒 |
|
|
|
|
|
|
〜04:20 |
〜皆既食終了 |
4 |
15秒 |
|
|
|
|
|
|
〜04:30 |
〜食分80% |
4 |
1/8 |
|
8 |
1秒 |
|
|
|
〜04:40 |
〜食分70% |
4 |
1/15 |
|
11 |
1秒 |
|
|
|
〜04:50 |
〜食分60% |
4 |
1/30 |
|
22 |
1秒 |
|
|
|
〜05:20 |
〜食分10% |
4 |
1/60 |
|
22 |
1/2 |
|
|
|
〜05:25 |
〜本影食終了 |
4 |
1/60 |
|
22 |
1/2 |
|
|
|
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- 惑星達のランデブー
今年の11月後半から12月にかけて、土星を除く6惑星(水星・金星・火星・木
星・天王星・海王星)が夕方の西の空に集まります。土星も少し離れた南の空に
いるので、7大惑星が全て夜空に見えている訳ですね。
天王星と海王星は暗いので良く分からないですが、面白そうです。写真も撮っ
ておきたいですね。
いて座からやぎ座にかけてこれらの6惑星が並びます。夕方の南西の方角に、-4.7
等の金星を筆頭に、-2.2等の木星、1.2等の火星、-0.3等の水星が見られ、金
星の左右に天王星と海王星が並びます。
12月3日から5日にかけてはそれに月が加わり、かなり賑やかになるでしょう。
火星は金星や木星と比べると暗く見にくいですが、金星の南1度程度の所に赤
く輝いていますので探して下さい。
水星は11月29日に東方最大離角ですが、高度が低く(日没時で12度程度)大
気が澄んでいる所であれば、南西が開けた場所でさがして見て下さい。
ISO400以上の好感度フイルムを使って固定撮影で写真も撮れると思いますので
挑戦してみて下さい。
下の図は、12月2日の17時頃の東京近辺で見た予想図です。(誠文堂新光社発
行の天文ガイド11月号から抜粋)
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- ガリレオ衛星の相互食
・9/ 8 20:04〜20:26にエウロパ(J2)が、ガニメデ(J3)の影で隠され皆既食と
なります。
・9/16 00:09〜00:28にエウロパ(J2)が、ガニメデ(J3)の影で隠され部分食(96
%減光)となります。
ガリレオ衛星の相互食24年ぶりの珍しい現象です。ガリレオ衛星は明るいので
、小型の望遠鏡でも良く見えます。
位置的には、両日共 木星の東方で木星の直径の約5倍弱程度の位置で起き、
それまで見えていた衛星が徐々に暗くなり見えなくなります。
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- 水星観察の好機
9/20頃の明け方に水星が見やすい位置に来ます。日の出時刻に真東の方向で高
度16度程度に見えます。前後5日間が見所です。
9/20の日の出が5:27ですから5時前後で高度10度程度(腕を伸ばした時のげん
こつの高さ程度)の所を双眼鏡等で探すと見えるかも知れません。早起きが得意
な人はチャレンジして見て下さい。
なお、高度は少し低くなりますが10/1には月とのランデブー(月の北に離角 1
度13分)もありますので、月を目安に探し易いかも知れません
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- 土星食
10月16日の未明に土星食があります。但し月例が14とほぼ満月の為、月がまぶ
し過ぎ、月と比較すると暗い土星が見づらく観察条件は、余り良くはありません
。でも、折角の土星食ですので、双眼鏡や望遠鏡があれば、観察して見て下さい
。
なお、土星は月の左側から潜入した右側から出現します。(天体望遠鏡で覗く
と逆ですけど)正確には、土星の前面を西から東に月が横切って行く訳です。
・土星食時刻
場 所 |
潜 入 |
出 現 |
札 幌 |
03:37:12 |
04:33:42 |
仙 台 |
03:40:06 |
04:36:48 |
東 京 |
03:42:00 |
04:37:00 |
大 阪 |
03:40:12 |
04:35:42 |
福 岡 |
03:36:54 |
04:33:18 |
鹿児島 |
03:39:48 |
04:42:06 |
那 覇 |
03:48:42 |
04:21:18 |
・望遠鏡での写真撮影時の参考データ(土星を対象と考えて)ISO400を
使用の場合
なお、月がかなり明るいので、月を画面の端に寄せて月面を極力少なく写す
事が必要です。
F値 |
4 |
8 |
16 |
32 |
62 |
88 |
122 |
174 |
露出時間 |
1/250 |
1/60 |
1/15 |
1/4 |
1s |
2s |
4S |
8S |
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- しし座流星群
11月10日から22日頃にかけてしし座の流星群が活動します。極大は11月18日の
未明と予想されています。
時間的には、しし座が昇ってくる午前1時から天文薄明の始まる5時過ぎが適
当です。方角は東の方向で、流星の輻射点が獅子座の鎌首の所ですから、しし座
を中心に夜空を見上げていれば良い訳です。
あいにく満月過ぎの明るい月が空に有りますが、痕を残す様な明るい流星が多
い流星群ですので、見逃せません。
さらに、この流星群の母彗星であるテンペル・タットル彗星が来年の2月28日
に33年ぶりに回帰し近日点(地球の軌道の直ぐ内側)を通過しますので、今回か
ら1999年の3年間の間には、大出現が予想されるので目が離せません。
明るい流星が多いので、固定撮影による写真も試みたいですね。ISO400程度の
高感度フイルムを使用し、獅子座を中心に1分から5分程度の露出で連続して何
枚も撮影して見ましょう。なるべく広い範囲を撮影する為に広角か標準レンズが
適当でしょう。
下の図は、11月17日のAM4時頃の東の空の予想図です。(誠文堂新光社発行の
天文ガイド11月号から抜粋)
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