Written by S.Yoneyama

• ここは、星や天文に興味を覚え始めた人へ、１９９９年に見られる面白い事象を紹介するページです。
  
  各情報やデータは、株式会社誠文堂新光社発行の“天文年間”　や　 株式会社アストロアーツ 発行の“スカイウオッチャー”を参考にした物です。興味を持たれ、より詳しい情報を知りたくなったら、上記の本や雑誌を購入して見て下さい。
  特に、“スカイウオッチャー”の1999年１月号には、主だった現象が解かり易く書かれているので便利です。
  また、“天文年間”には、ほとんど全ての天文現象や各種情報が詳しく記載されているので、重宝すると思います。

目次

・惑星達や月のランデブー
・惑星大集合
・恒星食・惑星食
・日食
・月食
・水星観測の好機
・流星群

• 惑星達や月のランデブー
  

  今年も惑星達や惑星と月が何度も接近します。惑星達や惑星と月の接近は地味なイベントですが、明るい惑星同士や月と明るい惑星が夜空に並ぶ姿は、眺めて面白いと思います。 その中でも、２月下旬の金星と木星の接近は明るい惑星同士でもあり、かなりの見物だと思います。2月18日、19日の夕方には金星と木星のそばには月も見えています。 また、3月20日の夕方には金星と土星と月が並んで見えます。 今年は木星と土星が仲良く並んでおり、毎月の様に月が二つの惑星の側を通過する様子が見れるます。２、３日位連続で写真を撮ると面白と思います。 写真撮影も可能です。ＩＳＯ４００以上の高感度フイルムを使用し10秒から30 秒程度の露出での固定撮影で結構写ります。その地方の有名な物等の地上風景も取り入れれて撮影すると面白いでしょう。

  月日 時刻 対　象 離隔 見ごろ時刻 方角 1/10 04:57 火星と月 2゜42' 5時頃 南東 1/19 16:48 金星と月 1゜58' 17時頃 西南西 1/22 08:18 木星と月 1゜48' 18時−19時 西南西 1/24 14:54 土星と月 2゜28' 19時頃 南西 2/18 15:20 金星と月 1゜51' 18時頃 西南西 2/20 23:35 土星と月 2゜41' 18時−20時 西南西 2/24 ６時 金星と木星 0゜09' 2/23,24 18時頃 西 3/20 11:53 土星と月 2゜47' 18時−19時 西 3/21 ６時 金星と土星 2゜34' 18時−19時 西 4/03 17:05 火星と月 3゜12' 21時− 南東 4/13 00:08 金星とスバル 2゜39' 4/12 20時頃 西北西 5/26 20:18 火星と月 5゜00' 20時− 南 6/10 09:06 木星と月 3゜55' 3時−4時 東 6/11 11:01 土星と月 3゜01' 3時−4時 東 6/13 17:15 金星とプレセペ 0゜36 20時−21時 西 6/15 16:46 水星と月 4゜28' 19時−20時 西北西 6/17 12:27 金星と月 2゜16' 19時−21時 西 7/08 00:18 木星と月 4゜16' 02時−04時 東 7/08 23:45 土星と月 3゜05' 02時−04時 東 8/04 11:05 木星と月 4゜06' 02時−04時 東南東 8/05 09:01 土星と月 3゜02' 02時−04時 東南東 8/10 11:37 水星と月 1゜09' 04時−04時30分 東北東 8/31 17:48 木星と月 3゜57' 22時− 東 9/01 15:25 土星と月 2゜51' 22時− 東 9/16 19:10 火星と月 6゜34' 19時頃 南西 9/27 22:01 木星と月 3゜43' 22時頃 東南東 9/28 20:43 土星と月 2゜37' 21時頃 東 10/ 6 02:16 金星と月 4゜32' 03時−04時 東 10/15 21:43 火星と月 5゜06' 18時−20時 南西 10/25 02:02 木星と月 3゜37' 10/24の夜 南 10/26 02:49 土星と月 2゜29' 10/25の夜 南 11/04 08:29 金星と月 3゜10' 04時−05時 東南東 12/04 05:43 金星と月 3゜00' 04時−06時 南東 12/06 09:55 水星と月 2゜50' 6時頃 東南東 12/18 14:50 木星と月 4゜02' 18時頃 南東 12/19 18:16 土星と月 2゜48' 18時頃 南東

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• 惑星大集合
  ２月下旬から３上旬にかけて、夕方の東の空に、水星・金星・木星・土星の４大惑星が勢揃いします。
  一番の難物の水星の東方最大離隔が３月３日ですから、その日前後が見ごろですね。時間は、18時30分前後が最適です。
  西の方角が開けた場所で見ましょう。私は天気が良ければ、富士山の五合目に出かけるつもりです。
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• 恒星食・惑星食
  8月24日23時過ぎから25日の1時前、海王星食が見られます。また、8月25日の21時頃から23時頃に天王星食がみられます。とは言っても、天王星（5.7等星）も海王星（7.9等星）も共に暗いので観察は大きな望遠鏡が無いと難しいと思います。海王星食と天王星食は、5月8日と9日にも連続して起こりますが、こちらは月出直後で条件が悪く観察には不向きと思われます。
  
  条件の良い１等星の食と天王星の食の詳細を以下に示します。
  

  月日	星	月齢	潜入 方向	札　幌	仙　台	東　京	大　坂	福　岡	鹿児島	那　覇
  1/5(火)	レグルス （1.3等星）	17.6	明縁	22:48 23:36	22:37 23:42	22:32 23:41	22:29 23:36	22:24 23:30	22:22 23:30	22:19 23:23
  2/23(火)	アルデバラン （1.1等星）	7.3	暗縁	22:15 23:16	22:20 23:21	22:23 23:22	22:22 23:19	22:21 23:15	22:26 23:13	−
  3/29(月)	レグルス （1.3等星）	10.9	暗縁	−	−	−	−	−	−	01:58 02:36
  6/18(金)	レグルス （1.3等星）	4.7	暗縁	21:15 22:01	21:27 22:05	21:35 22:06	21:41 22:03	−	−	−
  8/25(水)	天王星 （5.7等星）	14.1	暗縁	21:23 22:08	21:10 22:12	21:02 22:11	20:51 22:00	20:39 21:47	20:35 21:48	20:19 21:41

  各地の時刻は、上段が潜入で下段が出現です。
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• 日食
  
  • ２月１６日にオーストラリアで金環日食が見れます。運良くその時期に同地域に行かれる方は、日食の観察を計画して見てください。
  • ８月１１日にヨーロッパからインドにかけて皆既日食が見られます｡今世紀最後の皆既日食です｡夏休みの上、場所もヨーロッパと旅行し易い所なので、日食ツアーに行かれる人も多いと思います。チャンスがあれば、私も行きたいですが、お金が・・・・・
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• 月食
  1月31日23：04から2月1日０３：３０に半影月食が日本で見られます。半影月食では、月がそれほど暗くならないので、注意してみていないと気が付かないかも知れません。
  7月28日19:22から21:45にかけて部分月食が見られます。月の南側が最大で40%程度地球の陰に入ります。
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• 水星観察の好機
  太陽に近くて、なかなか見る機会の少ない水星ですが、比較的見易くなる時期を以下に示します。年に一度は対面したいですね。
  それぞれの方角が地平線まで開けた場所で探して下さい。なお、月や明るい惑星と接近する場合は、それを案内役とすれば探し易くなると思います。
  
  ・夕方の空
  

  観察最適時期	方角	日没時高度	案内役
  ３月３日前後	西	１７度	金星と木星
  ６月２９日前後	西	１８度	月（６／１５）

  
  ・明方の空
  

  観察最適時期	方角	日出時高度	案内役
  ８月１４日前後	東	１６度	月（８／１０）
  12月３日前後	東南	１８度	月（１２／６）

  
  なお、11月16日の明け方（6時頃から7時頃）には、水星の太陽面通過が起きます。太陽の左隅を僅かにかする様に通過して行きます。観察には望遠鏡が必要ですね。水星を見るといっても、太陽を見るのですから、日食の観察と同様に減光して観察する事が必要です。
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• 流星群
  昨年のしし座流星群は流星雨にはなりませんでしたが、それなりに活発な活動を見せていました。今年もまだ活動が活発と予想されているので目が離せませんね。
  以下に、比較的沢山の流星が見られる流星群のデータを示します。じっくり観察するのも、また写真撮影を試みるのも面白いと思います。
  写真撮影は、固定撮影でも充分で、ISO800-1600程度の 高感度フイルムを使用し、輻射点の星座を中心に５分程度の露出で 連続して何枚も撮影して見ましょう。なるべく広い範囲を撮影する為に広角か標準レンズが 適当でしょう。
  
  

  群名	活動時期	予想極大 時期	極大時 の方角	極大時 の月齢	観察条件 月の影響	個数	特徴
  しぶんぎ （りゅう座ι）	1/ 1− 1/ 5	1/ 4　未明	北東	１６	月明かり 有、悪い	２０	極大時の一晩 に集中
  ペルセウス座	7/20− 8/20	8/13 未明	北東	２	最適	数十	明るい流星が 多い
  しし座	11/15−11/22	11/18 未明	東	９	最良	多数	大出現が期待 出来る
  ふたご座	12/ 7−12/18	12/13と　 12/14の夜	天頂	６	最良	数十

  表中の個数は、極大時の１時間当たりの流星の予想数です。
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