Written by S.Yoneyama

ここは、星や天文に興味を覚え始めた人へ、２０００年に見られる面白い事象を紹介するページです。

各情報やデータは、株式会社誠文堂新光社発行の“天文年間”や 株式会社アストロアーツ 発行の“スカイウオッチャー”を参考にした物です。興味を持たれ、より詳しい情報を知りたくなったら、上記の本や雑誌を購入して見て下さい。
特に、“スカイウオッチャー”の2000年１月号には、主だった現象が解かり易く書かれているので便利です。
また、“天文年間”には、ほとんど全ての天文現象や各種情報が詳しく記載されているので、重宝すると思います。

目次

・惑星達や月のランデブー
・惑星大集合
・恒星食・惑星食
・日食
・月食
・水星観測の好機
・流星群
・LINERA彗星（1999 S4）

• 惑星達や月のランデブー
  

  今年は木星と土星、金星と木星、金星と土星の接近が、５月頃に在りますが、全て太陽の方向なので見難いのが残念です。それでも惑星同士や惑星と月の接近が毎月起こります。惑星達や惑星と月の接近は地味なイベントですが、明るい惑星同士や月と明るい惑星が夜空に並ぶ姿は、眺めて面白いと思います。 その中でも、２月７日の夕方の西の空で水星・月・火星・土星・木星が並ぶ光景や，３月から４月の夕方の西の空に火星・木星土星が集合します。特に３月９日前後や４月６日には月も加わりにぎやかな眺めになるでしょう。 今年も木星と土星が仲良く並んでおり、毎月の様に月が二つの惑星の側を通過する様子が見れるます。２、３日位連続で写真を撮ると面白と思います。 写真撮影も可能です。ＩＳＯ４００以上の高感度フイルムを使用し10秒から30 秒程度の露出での固定撮影で結構写ります。その地方の有名な物等の地上風景も取り入れれて撮影すると面白いでしょう。

  月日 時刻 対　象 離隔 見ごろ時刻 方角 1/03 12:46 金星と月 2゜36' 5時半〜6時頃 南東 1/11 03:36 火星と月 1゜54' 18時頃 南西 1/14 24:00 木星と月 4゜19' 19時〜22時頃 南西 1/15 25:46 土星と月 3゜03' 19時〜23時頃 南西 2/03 00:19 金星と月 1゜21' 5時半〜6時頃 南東 2/07 04:28 水星と月 1゜46' 17時半〜18時頃 西南西 2/08 26:42 火星と月 3゜55' 18時半頃 西南西 2/11 11:30 木星と月 4゜27' 19時〜20時頃 西南西 2/12 09:14 土星と月 3゜08' 19時〜20時頃 西南西 3/04 09:47 金星と月 0゜38' 5時半〜6時頃 東南東 3/09 26:03 木星と月 4゜27' 19時頃 西 3/10 18:22 土星と月 3゜04' 19時頃 西 3/15 9時 金星と水星 2゜30' 5時半頃 東南東 4/02 21:29 水星と月 1゜37' 5時半 東南東 4/06 14:46 火星と木星 1゜03' 18時半〜19時頃 西 4/06 16:52 木星と月 4゜16' 18時半〜19時頃 西 4/16 04:08 火星と土星 2゜16' 18時半〜19時頃 西 6/04 12:56 水星と月 3゜34' 18時半頃 西北西 6/29 05:07 土星と月 2゜34' 3時頃 東北東 6/29 10:18 木星と月 3゜36' 3時頃 東北東 7/26 18:28 土星と月 2゜23' 7/27 3時頃 東 7/27 00:18 木星と月 3゜16' 3時頃 東 7/30 02:08 水星と月 0゜49' 4時頃 東北東 8/23 04:12 土星と月 2゜06' 02時−04時 東 8/23 18:48 木星と月 2゜52' 02時−04時 東 9/19 10:22 土星と月 1゜47' 02時−04時 東南東 9/20 04:05 木星と月 2゜29' 02時−04時 東南東 9/26 01:42 火星と月 2゜21' 04時−04時半 東 9/30 17:21 金星と月 4゜30' 18時半頃 西南西 10/16 14:43 土星と月 1゜35' 10/16 22時頃〜 東 10/17 09:10 木星と月 2゜15' 10/16 22時頃〜 東 10/24 14:30 火星と月 3゜28' 04時−05時 東 10/30 17:21 金星と月 4゜30' 17時−18時 南西 11/12 19:37 土星と月 1゜35' 21時〜 東 11/13 12:27 木星と月 2゜19' 21時〜 東 11/22 02:59 火星と月 4゜07' 04時−05時頃 東南東 11/30 03:29 金星と月 2゜10' 17時〜18時頃 南西 12/10 02:18 土星と月 1゜48' 12/9 19時〜 南東 12/10 16:32 木星と月 2゜39' 19時〜 南東 12/20 15:49 火星と月 4゜10' 5時頃 南東 12/30 07:26 金星と月 1゜47' 18時頃 南西

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• 惑星大集合
  ２月上旬の夕方の西の空に、水星・火星・木星・土星の４大惑星が勢揃いします。
  一番の難物の水星の東方最大離隔が２月１５日ですから、その日前後が見ごろですね。時間は、18時30分前後が最適です。
  西の方角が開けた場所で見ましょう。私は天気が良ければ、富士山の五合目に出かけるつもりです。
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• 恒星食・惑星食
  今年は日本では惑星食も１等星の恒星食も見られない寂しい年です。明るい恒星の食の詳細を以下に示します。
  

  月日	星	月齢	潜入 方向	札　幌	東　京	大　坂	福　岡	那　覇
  2/16(水)	ふたご座ζ星 （3.6等星）	11.0	暗縁	22:29 23:39	22:31 23:46	22:25 23:40	22:16 23:31	22:33 23:13
  3/10(金)	くじら座μ星 （4.4等星）	4.2	暗縁	18:32 19:30	18:54 19:14	−	−	−
  3/16(木)	かに座δ星 （4.2等星）	10.3	暗縁	20:59 22:16	21:09 22:16	21:05 22:04	21:02 21:47	−
  10/20(金)	ふたご座δ星 （3.5等星）	21.8	明縁	−	00:47 01:10	00:47 01:02	−	00:21 01:03
  12/12(火)	おうし座ζ星 （2.9等星）	15.8	明縁	02:52 03:55	02:56 04:30	02:52 03:59	02:46 03:53	03:01 03:40

  各地の時刻は、上段が潜入で下段が出現です。
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• 日食
  今年は皆既日食も、金環日食もありません。２月５日に南極大陸の地域で、７月２日に南太平洋で、7月31日に北極地域で、部分日食が見れますが、どちらも観測には不向きな場所ですので、見る事は出来そうもありません。
  12月26日には、北アメリカ大陸で部分日食が見られますので、その時にその方面に旅行に行かれる方は眺めて下さい。
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• 月食
  
  • 1月21日に皆既月食がありますが、南北アメリカ大陸とヨーロッパとアフリカ大陸で見れるだけで日本では見れません。
  • 7月16日〜17日に起こる皆既月食は日本で見れます。月食の時刻は以下の通りで月食の見れる場所では、どこでも同じ時間です。暖かい時期で夕方から夜半にかけてと見易い時間帯なので是非眺めて下さい。またこの月食では、月が地球の影の中心近くを通るので、皆既時間帯がかなり長くなります。
    

    半影食開始	部分食開始	皆既食開始	最大食分	皆既食終了	部分食終了	半影食終了
    19:46:36	20:57:12	22:02:06	22:55:36	23:49:06	00:53:54	02:04:30

  
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• 水星観察の好機
  太陽に近くて、なかなか見る機会の少ない水星ですが、比較的見易くなる時期を以下に示します。年に一度は対面したいですね。
  それぞれの方角が地平線まで開けた場所で探して下さい。なお、月や明るい惑星と接近する場合は、それを案内役とすれば探し易くなると思います。
  
  ・夕方の空
  

  観察最適時期	方角	日没時高度	案内役
  ２月１５日前後	西南西	１７度	月（２／７）
  ６月　９日前後	西北西	２０度	月（６／４）

  
  ・明方の空
  

  観察最適時期	方角	日出時高度	案内役
  ７月２７日前後	東北東	１７度	月（７／３０）
  １１月１５日前後	東南東	１８度	月（１１／２４）

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• 流星群
  昨年のしし座流星群はヨーロッパで流星雨が見られたのですが日本では天気が悪く残念な結果に終わりました。
  以下に、比較的沢山の流星が見られる流星群のデータを示します。今年はしぶんぎ座流星群以外は月明かりが邪魔になりますが、火球クラスなら見れるので、時間があれば見たいですね。
  写真撮影は、固定撮影でも充分で、ISO800-1600程度の 高感度フイルムを使用し、輻射点の星座を中心に５分程度の露出で 連続して何枚も撮影して見ましょう。なるべく広い範囲を撮影する為に広角か標準レンズが 適当でしょう。
  

  群名	活動時期	予想極大 時期	極大時 の方角	極大時 の月齢	観察条件 月の影響	個数	特徴
  しぶんぎ （りゅう座ι）	1/ 1− 1/ 5	1/ 4　未明	北東	２８	良	１０	極大時の一晩 に集中
  ペルセウス座	7/20− 8/20	8/12の夜〜 8/13の明け方	北東	１３	月明かり 有、悪い	３０	明るい流星が 多い
  しし座	11/15−11/22	11/18の未明	東	１７	月明かり 有、悪い	６０	火球が見られる
  ふたご座	12/ 7−12/18	12/13と　 12/14の夜	天頂	１８	月明かり 有、悪い	２０	一晩中見られる

  表中の個数は、極大時の１時間当たりの流星の予想数です。
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• LINERA彗星（1999 S4）
  1999年9月27日に米国のリンカン研究所の地球接近小惑星サーベイの自動掃天システムで発見された、LINERA彗星（1999 S4）が、7月22日頃地球に最接近します。その時の光度は３等星台になる事が予想されており、ヘールボップ彗星以来の肉眼彗星になる事が期待されています。
  見頃は７月上旬から８月上旬です。見える時間帯と方角は下表を参考にして下さい。なお、７月の２０日前後は、一晩中北の空に見えているはずです。
  

  時期	時間帯	方角	星座
  ７月上旬〜中旬	明け方	北東	ペルセウス座〜きりん座
  ７月中旬	夕方	北	きりん座
  ７月下旬	夕方	北西	おおぐま座
  ８月上旬	夕方	西	おとめ座

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