Written by S.Yoneyama

ここは、星や天文に興味を覚え始めた人へ、２００５年に見られる面白い事象を紹介するページです。
各情報やデータは、株式会社誠文堂新光社発行の“天文年鑑”を参考にした物です。興味を持たれ、より詳しい情報を知りたくなったら、上記の本を購入して見て下さい。天文年鑑”には、ほとんど全ての天文現象や各種情報が詳しく記載されているので、重宝すると思います。

目次

・惑星達や月のランデブー
・マックホルツ彗星（C/2004Q2）
・恒星食・惑星食
・日食
・月食
・水星観測の好機
・流星群

• 惑星達や月のランデブー
  

  今年は、木星と月が何度も接近して並びます。 ６月下旬の夕方の西の空に 水星、金星と土星と集まります。 少し離れた東の空には、木星も昇っており、 火星を除く４大惑星の勢揃いです。 ７月３日〜４日に仲良く並んだ水星と金星が かに座の散開星団ペルセペ（M44）の中を通過 して行くので見物ですが、夕方の低空なので 望遠鏡が無いと見れないと思います。 ７月９日の夕方には、水星、金星と月が、西の 空に並びます。地平線近くには土星が、左横に はしし座のレグルスも並び、にぎやかです。 見難い水星を探すには絶好のチャンスです。 ９月２日の金星と木星の接近は見物です。 -4等星の金星と-1.7等星の木星が並ぶ光景は 見事でしょう。近くには、おとめ座のスピカも 見えます。 その５日後の9月7日には、月も加わり、さらに 賑やかだと思います。

  月　日 時　刻 対　象 離　角 見頃の時刻 方　角  1/04 02:46 木星と月 0゜21' 05時頃 南南東  1/24 16:36 土星と月 5゜01' 20時頃 東  1/31 19:48 木星と月 0゜55' 2/1の2時頃 南東  2/20 19:31 土星と月 5゜04' 19時半頃 東南東  2/27 23:35 木星と月 1゜09' 23時半頃 南東  3/12 00:36 水星と月 3゜26' 18時半頃 西  3/20 01:19 土星と月 5゜10' 00時頃 西  3/27 00:42 木星と月 0゜59' 01時頃 南  4/04 06:50 火星と月 4゜04' 04時半頃 南東  4/07 23:08 水星と月 3゜00' 05時頃 東  4/16 10:25 土星と月 5゜11' 19時頃 南西  4/23 02:32 木星と月 3゜37' 02時頃 南西  5/02 23:55 火星と月 2゜43' 5/3の03時半頃 南南東  5/13 22:01 土星と月 5゜05' 20時頃 西  5/20 07:22 木星と月 0゜22' 00時頃 西南西  5/31 18:16 火星と月 0゜31' 02時頃 東南東  6/08 21:12 金星と月 3゜49' 19時頃 西北西  6/10 10:49 土星と月 4゜55' 19時半頃 西  6/16 15:50 木星と月 0゜25' 19時半頃 南南西  6/26 06時 金星と土星 1゜18' 19時半頃 西北西  6/26 15時 水星と土星 1゜25' 19時半頃 西北西  6/28 05時 水星と金星 0゜05' 19時半頃 西北西  6/29 12:52 火星と月 2゜04' 03時半頃 南東  7/07 17時 水星と金星 1゜38' 19時頃 西  7/09 03:28 水星と月 5゜00' 19時頃 西  7/09 04:20 金星と月 3゜03' 19時頃 西  7/14 03:21 木星と月 0゜46' 19時半頃 南西  7/28 05:15 火星と月 4゜19' 04時頃 南東  8/08 12:52 金星と月 1°14’ 19時頃 西  8/10 17:06 木星と月 1゜16' 19時頃 西南西  8/25 15:52 火星と月 5゜45' 24時頃 東  9/02 18:29 水星と月 2゜48' 04時半頃 東  9/02 21時 金星と木星 1゜22' 18時半頃 西南西  9/07 08:38 木星と月 1゜50' 18時半頃 西南西  9/07 18:02 金星と月 0゜38' 18時半頃 西南西  9/22 15:32 火星と月 6゜04' 22時頃 東  9/28 14:07 土星と月 4゜36' 04時半頃 東 10/07 15:29 金星と月 1゜25' 17時半頃 南西 10/19 22:06 火星と月 4゜58' 22時頃 東 10/26 01:45 土星と月 4゜27' 03時頃 東 11/04 08:10 水星と月 1゜18' 17時頃 南西 11/06 04:036 金星と月 1゜26' 17時頃 南南西 11/15 15:09 火星と月 2゜44' 19時頃 東 11/22 11:30 土星と月 4゜11' 05時頃 南西 12/05 03:09 金星と月 2゜21' 17時頃 南西 12/12 14:17 火星と月 1゜16' 18時頃 東南東 12/19 18:22 土星と月 3゜55' 05時頃 西南西 12/27 12:38 木星と月 4゜06' 06時頃 南東

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• マックホルツ彗星（C/2004Q2）
  
  アメリカ・カリフォルニア州に住むコメットハンター、マックホルツ氏（Machholz, D.E.）が、2004年8月27日に発見した新彗星です。
  太陽に最も近づくのは1月24日ですが、その少し前の 1月5日に地球に再接近し、その頃には4等星と肉眼彗星になります。またその頃には、
  日本では夜半に見易い位置にあるので、観望のチャンスです。1月7日〜8日には、おうし座のM45スバルの直ぐ近くを通過します。
  1月中が、観望にチャンスです。その後は暗くなりますが、北の空で一晩中見ることも出来る様になります。
  
  詳しい位置は、AstroArtsのサイトの記事 を参照して下さい。
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• 恒星食・惑星食
  今年も日本で見ることが出来る惑星食はありませんが、さそり座の1等星アンタレスの食が見れます。
  また、不思議な事に、今年はアンタレスを除くと、２〜３等星の明るい恒星の食がありません。
  
  なお、明るい恒星ではありませんが、9月22日〜23日に月齢18の月が、おうし座の散開星団プレアデス
  （M45、スバル）の近くを通過するので見物でしょう。
  
  

  月日	星	月齢	潜入 方向	札　幌	東　京	福　岡
  3/31(木)	さそり座α星 アンタレス （1.1等星）	20.3	明縁潜入 暗縁出現	00h33.7m 01h44.7m	00h29.1m 01h40.4m	00h26.9m 01h23.1m

  各地の時刻は、上段が潜入で下段が出現です。
  
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• 日食
  4月9日(土)に太平洋〜中米方面で金環皆既日食が見られますが、日本では見れません。この日食は始めと終わりが金環日食で中間が皆既日食という
  面白い日食です。
  また10月3日(月)にヨーロッパからアフリカにかけて金環日食が見られますが、これも日本では見ることが出来ません。
  
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• 月食
  4月24日(日)に半影月食が、10月17日(月)に部分月食が起きます。両方共日本でも見ることができます。
  4月24日の半影月食は、月食が始まっている状態で月が昇る月出月食です。10月17日の部分月食は、ほんの僅かな月食です。
  
  4月24日(日)の半影月食の時刻
  

  	最大食時刻	月食終了時刻
  時刻	18h54.8m	20h59.8m

  
  10月17日(月)の部分月食の時刻
  

  	部分月食開始	最大食時刻	部分月食終了
  時刻	20h34m	21h03m	21h32m

  
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• 水星観察の好機
  太陽に近くて、なかなか見る機会の少ない水星ですが、比較的見易くなる時期を以下に示します。年に一度は対面したいですね。
  今年は３月中旬の夕方、８月下旬の夕方、７月初旬の夕方、８月中旬の明け方と１２月中旬の明け方が、条件が良いです。
  それぞれの方角が地平線まで開けた場所で探して下さい。なお、月や明るい惑星と接近する場合は、それを案内役とすれば探し易くなると思います。
  特に７月初旬の夕方には金星と仲良く並ぶので、探し易く見物だと思います。
  
  ・夕方の空
  

  観察最適時期	方角	日没時高度	見頃の時刻	案内役
  ３月１３日前後	西	１７度	18時半頃	月（3/12）
  ７月０９日前後	西	１８度	19時〜19時半頃	月（7/09）
  １１月０４日前後	南西	１０度	17時頃	月（11/4）

  
  ・明方の空
  

  観察最適時期	方角	日出時高度	見頃の時刻	案内役
  ４月２７日前後	南東	１１度	4時〜4時半頃	月（5/06）
  ８月２４日前後	東	１６度	4時半頃	月（9/02）
  １２月１２日前後	東	１８度	6時頃

  
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• 流星群
  
  以下に、比較的沢山の流星が見られる流星群のデータを示します。
  今年はペルセウス座群が、月の影響が少なく条件は良いですが、しし座群とふたご座群は月明かりが邪魔で条件が悪い様です。
  写真撮影は、固定撮影でも充分で、ISO800-1600程度の 高感度フイルムを使用し、輻射点の星座を中心に５分程度の露出で連続して
• 何枚も撮影して見ましょう。なるべく広い範囲を撮影する為に広角か標準レンズが 適当でしょう。
  

  群名	活動時期	予想極大時期	極大時 の方角	極大時 の月齢	観察条件 月の影響	個数	特徴
  しぶんぎ （りゅう座ι）	1/ 1− 1/ 7	1/3 21時頃	北	２１	悪	３０	月明かりがあるので条件は良くない
  ペルセウス座	7/20− 8/20	8/12 20時頃	北東	７	最良	５０	月明かりが無く最良の条件です 明るい流星が多い
  しし座	11/15−11/25	11/17 23時頃	東	１５	最悪	３０	満月の月明かりが邪魔です。 火球が見られる
  ふたご座	12/ 5−12/20	12/14 15時頃	全天	１２	悪	３０	一晩中見られる。月の影響が少なくなる 14日の夜明け前がチャンスか。

  表中の個数は、極大時の１時間当たりの流星の予想数です。暗い空で全天で見れると予想される数なので、
  実際にはそれより少ない数しか見れません。
  
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from 2004.12.18