Registax Ver.5 クイックガイド

2009年の3月にRegistax ver.5がリリースされましたが、日本語のガイドが無いので、基本的な操作説明用の簡単なクイックガイドを作りました。
Ver.5には、ここに記載しなかった便利な機能が一杯ですが、それは、今後整理して行くつもりです。

このバージョン関しても、英文の使用マニュアルが公開されていますので、それを参考にされれば、さらに詳しい事が判ると思います。

また、以前の説明と重複する部分は省略しましたので、・Registax Ver.3の操作説明Registaxの開発者やマニュアルからの情報、や
・Registax Ver.4のWevelet処理に関する考察 も参考にして下さい。


1.アライメント
Registax Ver.5 クイックガイド 画像1

Ver.5は、画面構成が変化していますが、基本的にはVer.4と
同じです。

@1GB以上のAVIファイルの処理可能になったりました。

A処理対象サイズに合わせてアライメントサイズを選択します。

BQuality Settingsで、輪郭がより明確な画像を優先する
 Gradient手法を強化したGradient2が追加されました。
 シーイングが悪く模様が不鮮明場合に効果があると感じます。

C低品質のフレームを切り捨てるLowest qualityを決めます。
 私は、シーイングにより、60%以上を選択しています。

D画像重心をアライメントの中心とする “Aline using Center
 of gravity”機能が追加されました。
 これを選択すると、自動でアライメントエリアが設定され
 アライメント処理が早くなる感じです。

E但し、画像内に衛星等が写っているとアライメントエリアが
 惑星中心から外れることがあるので注意が必要です。

F惑星像が暗い場合、アライメントエリアが正常に設定されない
 場合があるので、その場合は、Lum Threshold内の値を小さく
 すると上手く設定できる場合があります。

GVer.4からの機能ですが、後述するリファレンスフレーム機能
 が便利なので、良いフレームの選択などの調整を行わず、
 Alignボタンを押して構いません。

H但し、薄雲の通過などで、暗いフレームがある場合は、
 良いフレームの選択に失敗するので、Flamelistを表示させて
 暗いフレームを処理対象から外します。

 もし、Flamelistが消えていたら、Flame Listのチェックを
 入れ直せば、再度表示されます。

 ある範囲の多数のフレームを一度に対象から外す場合は、
 シフトキーを押しながら矢印キーで対象フレームを反転させた
 状態で選択フレームの最後にカーソルを合わせてスペースキー
 を押すと選択したフレームが一度に対象から外れます。
2.低クォリティフレームの除去
Registax Ver.5 クイックガイド 画像2

@アライメントが終了したら、後の処理の高速化とリファレンス
 フレーム作成の目的で、低品質のフレームを除外します。
 
 アライメントが終了するとアライメント情報が表示されます。
 今度は、最下段のスライドバーを右端から徐々に左側に
 スライドさせながら、極端に状態の悪いフレームが少なく
 なる位置を探します。

Aその位置で、左上のLimitボタンを押せば、指定したフレーム
 以降は、これからの処理から除外されます。
3.リファレンスフレームの作成
Registax Ver.5 クイックガイド 画像3

@Limit処理後、オプティマイズのプロセス画面に移りますが、
 オプティマイズ処理を始める前に、Create Reference frame
 の Createボタンを押します。

AReference frame用のスタックフレーム数(Frames to atack)
 は、デフォルトの50フレームから100フレーム程度で良さそう
 です。

BCreateボタンを押すと、短時間でオプティマイズとスタックが
 行われ、自動でWaveletプロセスまで進みます。
 そこで、軽くWaveletをかけます。

CWaveletをかけたのち、Continueボタンを押します。
4.オプティマイズ処理
Registax Ver.5 クイックガイド 画像4

@Continueボタンを押すとオプティマイズプロセスに戻り、
 作成されたReference frameが表示され、その参照フレームが
 新たな基準になります。

Aそれから、オプティマイズのみかオプティマイズ&スタックの
 処理を開始です。

Bその時に、新しい参照フレームが選択されたので、それで
 良いかとの確認ボックスが表示されたら、YESを選択します。
5.スタック前処理
Registax Ver.5 クイックガイド 画像5

@オプティマイズが終了したら、スタックプロセスに移ります。

Aスタックプロセスでは、Show Stackgraphにチェックを入れ
Stackgraphs Panelを表示させ、

BQuality Cuttoffのスライドバーを調整しQualityの低い
 フレームをカットします。

CDifferennce Cuttoffのスライドバーを調整し、誤差が大きい
 フレーム(緑の線が上に伸びているフレーム)をカット
 します。

 全体的にQualityが高い場合は、最終的にスタックされる
 フレーム数を見て決めても良いでしょう。
 私は、900〜1200フレーム程度にしています。

D元画像が暗い場合は、Stretch histogram after stackingに
 チェックを入れると、スタック後の画像のヒストグラムが
 アップしスタック画像が明るくなります。
 (1回指定すれば、その後は常にその状態になります)
 なお、スタック後の画像が明るくなり過ぎる場合は、
 指定しない方が良いでしょう。

ENormalize intensity over frames(フレーム間で強度を平均
 化)は、雲などの影響でフレームごとの明るさが違った時に、
 明るさを揃える機能です。
 マルチ・ポイント・アライメントの時は必須です。

Fマルチポイントアライメントで、境目が目立つ場合は、
 Use feather ofにチェックをいれ、feather値
 (デフォルトの5程度)指定すると境目が軽減します。


G最後にStackボタンを押してスタック開始です。
6.ウェーブレット前処理−明るさや色ズレの調整
Registax Ver.5 クイックガイド 画像6

@スタック画像の明るさは、コントラストやBrightnessで調整
 します。

Aスタック画像が暗い場合は、Histogramボタンを押すと表示
 されるHistogramでも調整出来ます。

B大気のプリズム効果で、色ズレが発生している場合は、 
 RGBAlignを選択し、RチャンネルとBチャンネルの調整ボタンで
 色ズレを修正します。


ウェーブレットフィルタによるウェーブレット調整は、
Ver.4と大きな違いは無いので、以下を参照してください。

Registax Ver.4のWevelet処理に関する考察

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from 2009.09.16